「学習指導要領」って、何だか難しそう…
「学習指導要領」は、教育界から保護者に向けたメッセージなんですよ。
難しそうに思える「学習指導要領」ですが、お子さまの未来へのヒントがたくさんあるんです。今回は、「学習指導要領」についてご紹介していきます。
「学習指導要領」とは
「学習指導要領」とは、文部科学省が定めている、各学校で教育課程(カリキュラム)を編成する際の基準のことです。
小学校、中学校、高等学校等ごとにあり、それぞれの教科等の目標や大まかな教育内容が定められています。
また、時代の変化や子供たちの状況、社会の要請等を反映させるため、約10年ごとに改訂されているのです。
子供たちの教科書や時間割は、学習指導要領を基に作成されています。
子供たちに必要な力とは
2020年に改訂された小学校の学習指導要領では、教育課程全体や各教科などの学びを通じて「何ができるようになるのか」という観点から、「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力など」「学びに向かう力、人間性など」の3つの柱からなる「資質・能力」を総合的にバランスよく育んでいくことを目指しています。
「学習指導要領」を理解する意味とは
中学受験や中学受検を意識して、情報収集している保護者は多いものですが、「学習指導要領」にまで気を配っている人は少ないかもしれません。
しかし!「学習指導要領」には、お子さまの未来を左右する情報がたくさん詰まっているんです。
「学習指導要領」は大学入試と深い関連が
直近ですと、小学校の新しい学習指導要領は2020年、中学校の新しい学習指導要領は2021年からスタートしています。
そして、ここで注目してもらいたいことがあります!
これと時期を同じくして、大学入試の制度も大きな変化を遂げているのです。
1990年に始まった「 大学入学者選抜大学入試センター試験 」、通称「センター試験」が廃止され、2021年から「大学共通テスト」となったのです。
そもそも「大学入学共通テスト」とは!?
小学生のお子さんを持つ保護者の方で、「センター試験」を受験された方は多いかもしれません。
センター試験とは、様々な大学の入学試験で、共通して利用できるテストのことです。
そのセンター試験に変わって、現在実施されている試験が、「大学入学共通テスト」です。
毎年1月中旬に実施され、ほとんどの国公立大学ではこの「大学入試共通テスト」の点数と大学ごとの「個別試験」の点数で合否を判定します。
さらに、私立大学でも利用することが多く、大学受験生の多くが受験するテストになっています。
「大学入学共通テスト」での変更点とは
この「大学入学共通テスト」で出題される受験科目は、7教科21科目。
この受験科目の中から、志望校で必要になる科目を選んで受験します。
問題形式はマークシート式。
これはセンター試験の様式から変更はありません。
しかし、大学入学共通テストへの変更が決定した際には、記述式が取り入れられる説が有力だったのです。
「大学入学共通テスト」が与えた影響とは
実際には、記述式は取り入れられることがなく、形式としてはセンター試験を踏襲することになりました。
大きな変化に戦々恐々していた教育業界の人や保護者の方は、肩透かしを食らった結果となりました。
それでも、今までの知識の有無のみを問うマークシート形式を変えようとする力は大きかったようです。
現在の「大学入学共通テスト」は、相変わらずマークシート方式です。
しかし、「思考力・判断力・表現力が重視される出題が増えた」という現状になっているのです。
「学力評価研究機構」が採点業務を落札
実現はしませんでしたが、大学入学共通テストに記述式問題が導入されるとなった際、採点業務を行う事業者を選ぶ一般競争入札が行われました。
そして、テスト採点を手がける「学力評価研究機構」という企業が、その権利を落札しました。
落札金額は、「約61億6千万円」!途方もない金額です。
ほとんどの人が聞いたことのないであろう、この「学力評価研究機構」という企業。
実は、ベネッセグループの傘下なのです。
ベネッセはあなどれない
「ベネッセ」というと、「コラショ」や「こどもチャレンジ」を思い浮かべる人が多いかと思います。
しかし、ベネッセは大学受験にも大きなかかわりを持っているのです。
さらに、ベネッセグループは、共通テストで活用される予定だった英語民間試験の一つ「GTEC」も運営。
私たちの知らないところで、民間の教育会社がお子さんの将来に大きく関与しているのです。
進研ゼミには、お子様向けの教材だけではなく、保護者向けの情報誌もついています。
教育の最前線にいる企業だからこその特権を活かした情報も入手できるので、情報収集にはおすすめといえるかもしれません。
まとめ
学習指導要領や共通テストでの紆余曲折、入札企業などの件は、一部の人しか得られない情報という訳ではないんです。これらはすべて、マスコミ報道や文部科学省のサイトで公表されています。もちろん、学習指導要領もすべて確認することができます。小学校や中学生で学習する内容は、すべて大学受験にも関係してきます。学習指導要領は教育のトレンドを象徴する貴重な資料です。しっかりと理解することで、お子さんの将来に役立てましょう。
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