
先生、うちの子、本当に字が汚いんです…

そういう相談、とっても多いんです!
「何度注意しても直りません。」「テストで×になっているのに全然気にしないんです。」「学校の先生からも毎年言われています。」など…
中学受験の指導をしていると保護者の方から大変多くいただく相談があります。それが、「字の汚さ」に関する悩みです。
このような悩みは決して珍しくありませんが、相談してくるのは100%、男の子のお母さんです。
そこで今回は、1,000人以上の生徒に国語の指導を行ってきた、現役塾講師の「おにあ」が、子どもが字を汚く書く理由と対策方法について解説していきます。
字が汚い生徒は勉強が嫌いなワケではない

実際、私がこれまで指導してきた生徒の中には、「どうしてこの字で平気なんだろう」と思うほど文字が崩れている子が何人もいました。※現在もたくさんいます。
しかし、その子たちは決して勉強が嫌いなわけでも、不真面目なわけでもありません。
難関中学に合格した子の中で「とても頭がいい」と感じる生徒でも、非常に字が汚い子が一定数いたりもしました。
字が汚い子の共通点

20年も子どもたちの指導を行ってきて感じるのは、字が汚い子にはある共通点があるということです。
それは、「文字を書いている」という意識よりも、「答えを書いている」という意識の方が圧倒的に強いということです。
「答えが分かった。」と思った瞬間、その子の頭の中はもう次の問題へ向かっています。できるだけ早く書き終えようとしてスピードを優先する結果、字はどんどん崩れていきます。
つまり、文字を書くことはゴールではなく、本人にとっては答えを書くための作業に過ぎないのです。
字の汚さで×になっても気にならない子どもの心理

漢字テストで汚い字を書いて、「読めない」という理由で×にされる生徒が大勢います。
最初は、「注意すれば反省するかな。」と思い、答案を見せながら「ここ、読めないから×になっているよ。」と伝えました。
でも、その子は「でも、自分では読めます。」と真顔で答えたのです。
ビックリして言葉を失いました。
でも、大勢の生徒がそう言うので気づきました。
「悪気がないのだ」と…
本人は、本当にそう思っているのです。

字の汚さの対する保護者との認識のズレ
ここで保護者の方との認識に大きなズレが生まれます。
保護者は、「こんな字じゃ誰も読めないでしょう。」と思っています。
一方で、子どもは、「自分は読めるし、何が問題なの?」という感覚なのです。
このズレを理解しないまま、「何回言ったら分かるの!」と叱っても、残念ながら改善にはつながりません。
「『悪い』と思っていないことを何度注意しても『反省』できない。」「『反省』できないから改善できない」という流れになっているのです。
保護者がやりがちな「逆効果の声かけ」
ご家庭で保護者の方は、「もっと丁寧に書きなさい。」と言っていませんか?
実は、この言葉では字の汚さは改善しません。なぜなら、子どもにとって「丁寧」の定義は非常に曖昧だからです。
どこをどう直せばいいのか分からないまま、「また怒られた。」だけが残ってしまいます。
私が指導で意識していること
私自身、字が汚い子を指導するとき、「字をきれいに書こう」とはあまり言いません。
それよりも、「読めないね。」と言います。
あとは、「入試のときに、この字を書いてごらん。どうなると思う?」と聞きます。
大切なのは、「自分以外の人が読める字を書こう」と思わせることです。
字の美しさではなく、「ひとに読んでもらえる字」を目標にしてもらいます。
すると子どもも「きれいに書かなきゃ」ではなく、「読めるように書こう」という意識に変わっていきます。
実際、それだけで文字が改善した子も少なくありません。
「ひとに読んでもらえる字」を書かせよう

「ひとに読んでもらえる字」を書いてもらうために、有効な方法はたくさんあります。
その中でも簡単な方法が「マス目」付きのノートを使うことです。国語だけでなく、他の教科も全部マス目付きノートにします。
そして、マス目いっぱいに大きく文字を書かせます。ひらがなは漢字より小さく書くと文章がきれいに見えますが、それは後で指導しましょう。
「マス目いっぱいを使って、でも、マス目からはみ出ないように書いてみて。」
さらに、「ゆ~っくり書いて」と加えてみてください。
このように具体的な方法をスモールステップで伝えた方が、子どもは行動しやすくなりますよ。
まとめ
長年、中学受験の現場で多くの子どもを見てきて感じるのは、字が汚い子の多くは「直す気がない」のではなく、「直し方が分からない」「直す必要を感じていない」ということです。
だからこそ、「どうしてこんな字を書くの!」と叱るよりも、「読んでもらえる字を書こう」と伝える方が、子どもの意識は変わりやすくなります。
字のきれいさは、生まれ持った才能ではありません。毎日の小さな意識の積み重ねで変えていくことができますよ。



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