公立中高一貫校には、「向いている子」と「向いていない子」がいるんですよ。
うちの子って、公立中高一貫校に向いているのかしら?
公立中高一貫校とは
公立中高一貫校といった場合には、基本的に都道府県や市が設置する、中学校と高校の6年間が一貫となった学校のことを指します。
高校受験を必要としない6年間の一貫した学習環境で、思考力や創造性を伸ばす教育を受けられることが特徴です。
難関大を含めた大学進学率も高く、私立中学に比べて学費も低いことから、人気を集めています。
公立中高一貫校に向いている子とは
塾講師として長年、公立中高一貫校を受検する生徒たちを指導してくる過程の中。公立中高一貫校に向いている子には、共通した特徴があることに気付きました。
好奇心旺盛な子
公立中高一貫校に向いている子は、好奇心旺盛な子です。
公立中高一貫校の適性検査では、「思考力」を問う問題が多く出題されます。
この思考力とは文字の通り「考える力」のことです。
しかしながら、そもそも知識の蓄積がないと、思考力を発揮することができません。
「知りたい!」「もっと知りたい!」という気持ちを持つことで、自然に学力がつき、適性検査を通過することができます。
さらに、公立中高一貫校に進んだ後にも、「知りたい」という気持ちを原動力にして、積極的に学習に取り組むことができるのです
芯が強い子
公立中高一貫校では、「リーダーの育成」を目的に掲げている学校が多くなります。
そのため、おとなしい子は公立中高一貫校に向いていないと勘違いされがちです。
しかし実際には、公立中高一貫校には「おとなしい子」もたくさんいます。
ただし、おとなしい子を含めて、公立中高一貫校に通うほとんどの子は、「芯の強さ」を持っています。
周りに流されず、自分の意思を突き通す強さを持っているのです。
そうでなければ、遊びたい盛りの小学生時代を受検勉強に費やせるはずがないのです。
しかし、「芯が強い」と「頑固」は違います。
「頑固な子」は人の意見を聞き入れないので。成績が伸びません。
その点は勘違いしないようにしましょう。
思考を発展させられる子
公立中高一貫校に向いている子は、思考を発展させられる子です。
「思考を発展させられる」と言っても、ピンとこない方も多いかもしれません。
しかし、公立中高一貫校に通う多くの生徒は、「覚えること」を目的にしていません。
覚えた知識を「手段」として、「考える」ことを目的にしています。
たとえば、Aという用語を学習したら、その類義語や対義語にまで、思考を発展させます。
また、算数の公式を教えてもらったら、もっと楽に解ける方法はないかを探してみます。
このような行動を習慣化できると、思考力は自然に養成されていきます。
公立中高一貫校に通う生徒は、これが自然にできているからこそ、難関大学に立ち向かえる学力を身に着けられるのです。
面倒くさいことを後回しにしない子
公立中高一貫校に向いている子は、面倒くさいことを後回しにしません。
実感される保護者の方も多いでしょうが、本来、勉強とは面倒くさいものなのかもしれません。
しかし、面倒くさいと感じたとしても、それを後回しにしていては成長できないのです。
公立中高一貫校では、難易度の高い勉強を速いスピードで進めていくので、授業以外に自分で学習する必要が生じます。
さらに、課外活動や研究発表などが盛んなので、提出物が非常に多くなります。
「面倒くさいから」といってこれらの学習や提出物を後回しにしていく子は、学校生活でも大学受験でも、成果を挙げることができないのです。
自分のできないところを認められる子
公立中高一貫校には、自分のできないところを認められる子が向いています。
公立中高一貫校には、厳しい受検を突破して入学した、レベルの高い生徒たちがたくさん集まっています。
すると、小学校の時に優秀だったとしても、入学後には自分の実力のなさに愕然とすることも…。
そのような場合に、もっとも恐れなければならないことは「諦め」です
公立中高一貫校は、高校受験がありません。
そのため、いったん諦めてしまうと勉強をしなくなり、成績は落ちる一方になるのです。
しかし、自分のできないところを認めて、できないところをできるようになろうと努力できれば、それはよい方向につながっていくでしょう。
番外編
意外に思われるかもしれませんが、公立中高一貫校に向いている子には次のような特徴もあります。
体力のある子
勉強と体力は関係なさそうですが、意外にも勉強と体力には大きな関係があります。
中学受検では、学校の勉強以外にも受検対策の勉強が必要になります。
また、習い事をしている子の場合、学校と学習塾、習い事までこなして行く体力が必要です。
さらに、公立中高一貫校は課外活動や部活動も盛んなため、それを乗り越えるための体力も必要になります。
実際に、公立中高一貫校にでは、六年間の中高一貫校教育を無遅刻無欠席で終了させる生徒は多いもの。
そして、そのような生徒は難関大学に合格している割合も高いような気がします。
まとめ
公立中高一貫校には、向いている子と向いていない子がいます。塾講師という客観的な視点からみると、「向いている子」は問題なく適性検査をパスできます。そして、入学後にも問題なく学校生活を送り、希望する大学への進学を果たすでしょう。しかし、ここに挙げた特徴にお子さんが当てはまっていなくても心配することはありません。この記事を参考にしてお子さんへの対応を変えてあげ、公立中高一貫校に向いている子にしてあげればよいのです。
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