公立中高一貫校合格者が実践した勉強法と受検対策のポイント

公立中高一貫校の受検は、私立中学受験と違って、適性検査・作文・面接といった多角的な評価が行われます。これに対応するためには、基礎学力だけでなく、思考力や表現力などを高める学習が必要です。本記事では、合格者が実践した勉強法や受検対策のポイントを詳しく解説します。

小学校の学習内容のマスター

全教科の基礎知識を習得する

公立中高一貫校の適性検査では、計算問題や漢字の書き取り問題が出題されることは稀です。しかし、小学校の教科書レベルの知識をしっかり身につけていることが公立中高一貫校受検の大前提となります。特に、国語・算数・理科・社会の基本を押さえていることが重要です。

例えば、算数では四則演算や割合、速さの問題を完璧に解けるようにしておくことが必要です。理科や社会も教科書の内容にプラスして、身近な現象を理解していることが求められます。これらを日常的に復習し、基礎を盤石にしておきましょう。

計算力を向上させるトレーニング

直接的な計算問題が出されることは少なくても、計算が必要な問題は必ず出題されます。素早く正確に計算できる能力は、公立中高一貫校受検に必要不可欠と言ってもいいでしょう。そのため、5〜10分でもいいので、計算を毎日解く習慣をつけましょう。

例えば、百ます計算や一行計算のテキストを活用し、計算スピードを高めます。計算ミスを防ぐために、「筆算を省略しない」「途中計算を残す」といった習慣も身に着けさせておきましょう。

読解力と表現力の強化

多様な文章を読む習慣をつける

適性検査では、長文を読解する問題が出題されることが多く、速く正確に読み解く力が求められます。そのため、物語文・説明文・論説文など、幅広いジャンルの文章に触れさせておくことが大切です。

例えば、新聞の子ども向け記事や時事問題に関する解説を読むことで、要約力や論理的思考力を鍛えることができます。読んだ後に「どんな内容だった？」と聞いてあげましょう。内容を口頭で説明する練習をすると、表現力が向上します。

自分の考えを論理的にまとめる練習

公立中高一貫校の作文試験では、自分の意見を筋道立てて述べる力が問われます。論理的な文章を書くためには、日頃から「主張→理由→具体例→結論」の流れを意識して書く練習をすることが有効です。

とは言っても、書きっぱなしでは効果がありません。作文に特化したサービスを提供している通信教育で添削をしてもらう方法がおすすめです。ただし、作文の出題の仕方や文字数は、各都道府県で大きく違っています。公立中高一貫校の合格実績の高い地元の学習塾で添削してもらえるとベストです。

適性検査対策の具体的な方法

過去問演習で試験形式に慣れる

適性検査では、文章を読んで考えをまとめる問題や、条件を整理して解く問題が出題されます。そのため、過去5年分の過去問を解いて試験の傾向をつかんでおくことが不可欠です。

ただし、過去問は解かせる時期が重要です。あまり早い時期に解かせてしまうと、点数がとれずに自信を失うことにも…。6年生の学習内容を先取りして、内容の定着を確認してから解かせるようにしましょう。

模擬試験を活用した実践練習

実際の試験と同じ形式の模擬試験を受けることで、本番の緊張感に慣れることができます。また、時間配分の感覚を養うためにも、制限時間内で解く練習を積み重ねましょう。

緊張感を体験してもらうため、敢えて通っていない学習塾の模擬試験を受けさせるという方法もあります。いつもと違う教室でいつもと違うメンバーで受ける模擬試験は、受検本番の環境に近いので、よい経験になるでしょう。

漢字検定の学習で語彙力を強化

適性検査では、語彙力が大きなカギを握ります。例えば、毎日10個の熟語をノートに書き、意味を調べる習慣をつけることで、自然と語彙力と記述力が向上します。

さらに、作文では漢字間違いは減点対象になります。小学校で学習した漢字はすべて書けるよう、漢字検定5級レベルの学習をしておきましょう。

生活習慣と学習環境の整備

規則正しい生活リズムの確立

勉強の成果を最大限に発揮するためには、規則正しい生活が欠かせません。特に、小学生にとって、睡眠時間の確保は重要なポイントです。

早寝早起きの習慣をつけることで集中力が高まり、効率的に学習できます。また、朝に軽い運動をすることで脳が活性化し、その日の学習効果も向上させられます。

家庭での学習環境の最適化

集中して勉強するためには、家庭内の学習環境を整えてあげましょう。小さな兄弟がいて、静かな環境づくりが難しいご家庭も多いでしょう。

学習塾の自習室などを利用できればベストです。しかし、勉強している時はテレビをつけずに、家族全員が読書をすることでも、快適な学習環境をつくってあげられます。

保護者のサポートと役割

学習計画の立案と進捗管理

受検をするといっても、まだまだ小学生。完璧に計画を立てて学習を進められるお子さんは稀です。保護者の方は、お子さんと一緒に学習計画を立てて、無理なく進められるようサポートしてあげましょう。

例えば、1週間ごとに「どの単元を学習するか？」をお子さんと決めて、毎日の進捗を一緒に確認しましょう。少し緩めの計画にすると、お子さんのプレッシャーを軽減できます。

モチベーション維持のための声かけ

受検勉強は長期戦のため、途中でやる気が落ちることもあります。そのため、保護者の方が適切な声かけをして、お子さんを励ましてあげることが重要です。

できないことを指摘するのではなく、できるようになったことを褒めてあげましょう。例えば、「間違いが少なくなったね」「前より早くなったね」と具体的に褒めてあげると、お子さんのやる気も倍増します。

まとめ

公立中高一貫校の合格には、基礎学力の定着、思考力・表現力の強化、適性検査対策、生活習慣の改善、保護者のサポートが欠かせません。これらをバランスよく取り入れながら、合格への道を進んでいきましょう。